太田胃散のテレビCM史において、初期の男性キャラクターたちは「圧倒的な親しみやすさ」を前面に押し出していました。ザ・ドリフターズのメンバーとして国民的人気を博した仲本工事さんは、持ち前の穏やかな語り口とお茶目なキャラクターでお茶の間を和ませ、胃の不快感に悩む現代人の共感を誘いました。仲本さんの起用は、国民的コメディアンが持つ高い信頼感をブランドの親しみやすさへと昇華させた好例です。
また、爽やかさと誠実さを象徴する存在として三浦友和さんも登場。高度経済成長からバブル景気へと向かう時代背景の中、接待や不規則な食生活に直面するビジネスマンの姿を体現し、「頼れる胃腸薬」というイメージを確立しました。彼らが築いた基盤の上に、現在のクラシック音楽を基調とした落ち着きあるフォーマットが徐々に完成していったのです。