こうした警察とメディアの過剰とも言える慎重さは、インターネット黎明期において格好のパロディ対象となった。2ちゃんねる(現5ちゃんねる)のニュース速報板などでは、あまりに頻出するこのフレーズに対して「そんな名前の独立した武器が存在するのではないか」という諧謔的な解釈が生まれ、ファンタジーRPGに登場する架空の武器のように扱われ始めた。
この言説をサブカルチャーの領域へ決定的に押し広げたのが、ライトノベルおよびアニメ作品『這いよれ!ニャル子さん』である。作中においてヒロインが振るう主武装として「名状しがたいバールのようなもの」が登場し、クトゥルフ神話の定型句とニュース報道の決まり文句が見事に融合した。報道現場の堅苦しい行政用語が、ネットユーザーのアイロニーを経て、強力なポップカルチャーアイコンへと転生した稀有な事例といえる。