ボンベイ型と混同されやすい病態に「パラボンベイ型(Para-Bombay phenotype)」があります。広東省などで報告される極めて希少な症例の多くもこのカテゴリーに属します。両者の決定的な違いは、分泌型遺伝子であるFUT2遺伝子の機能残存と、赤血球表面への微小な抗原吸着能力にあります。
| 項目 | 標準的なO型 | 古典的ボンベイ型 | パラボンベイ型 |
|---|---|---|---|
| 原因遺伝子の欠損 | ABO遺伝子活性の欠損 | FUT1およびFUT2の機能喪失 | FUT1変異(FUT2機能は保持) |
| 赤血球膜上のH抗原 | 豊富に存在 | 完全に欠落(ゼロ) | 欠落または極微量吸着 |
| 唾液中のABH物質 | 分泌型ならH物質を分泌 | 完全に非分泌 | 唾液中にH物質やA/B物質を分泌 |
| 血清中の抗H抗体 | なし | 強力な抗H抗体(常温・体温で反応) | 弱い抗H抗体または不完全抗体 |
| 推定発現頻度 | 世界人口の約30, 45% | インドで約1/10,000、他地域で1/1,000,000 | 東アジア地域で約1/300,000 |
パラボンベイ型では、唾液や体液中に分泌型遺伝子由来のH物質が作られるため、体温下で赤血球を激しく壊すような強毒性の抗H抗体を形成しないケースも見られます。しかし、輸血計画においてはボンベイ型と同様、慎重な適合試験が不可欠です。