かつて休み時間ごとに繰り広げられたシール交換の記憶は、30代から40代の女性たちにとって原体験そのものです。お気に入りのシールをシール帳に美しく並べ替え、友人同士で一枚ずつトレードする行為は、当時の少女たちにとって最初の自己演出でした。
近年、このムーブメントが「平成レトロ」の潮流に乗って鮮やかに蘇っています。メディアでも注目のシールマニアであるシール大臣氏が指摘するように、大人が楽しむ現代のシール文化は、単なる懐古趣味にとどまりません。日々のタスク管理ツールであるスケジュール帳を彩る手帳デコや、SNS上での自慢のコレクション披露など、大人の生活空間に溶け込む新たな実用アートとして進化を遂げています。
自分のお金で好きなだけ買える経済力を手に入れた元「平成女児」たちが、1枚あたり数百円で手に入る極上のアートピースとして大人の図鑑シールを買い集める現象は、極めて自然な消費行動と言えます。