ふくさに包む前の準備段階として、中袋(中包み)へのお札の入れ方と外袋の重ね合わせにも厳格なルールが存在します。新札(ピン札)を用意することは基本ですが、お札を入れる向きを間違えるケースが後を絶ちません。肖像画(福沢諭吉や渋沢栄一など)が表側を向き、かつ中袋の封入口側(上部)に肖像画が来るように揃えて収めます。これは「顔を上げて喜びを表す」という祝意を象徴しています。
さらに見落としがちなのが、外袋の背面にある折り返しの重ね方です。慶事では「下の折り返しを上の折り返しに重ねる」のが絶対原則です。これには「上を向いて万歳をする」「福を受け止める」という意味が込められており、下向きに重ねる弔事(悲しみを流す)と混同してはなりません。また、豪華な水引が施された金封の場合、ふくさへ無理に押し込むと水引の結び目が潰れてしまいます。厚みがある祝儀袋には、マチの広い金封袱紗か、サイズに融通が利く大判の風呂敷包みを用いるのが適切です。