この不条理を解消すべく、生産農家自らが立ち上がった。2025年11月に本格始動した「フォアスゼロ」は、花の終わった胡蝶蘭を回収キットや提携物流を通じて引き取る無料回収サービスだ。専用設計された独自の鉢構造を持つ「フォアス」を中心に展開され、資材の分解・分別を前提とした設計思想によって産業廃棄物ゼロを実現している。
従来の胡蝶蘭が「捨てにくさ」を無視して豪華さのみを追求していたのに対し、フォアスは最初からリサイクル可能なパーツで鉢を構成している。返送された株は提携農園の温室へ集約され、病気の有無を検疫した上で専門の栽培ラインへ戻される。この一連のクローズドループが評価され、2026年3月のソーシャルプロダクツ・アワードにおいて審査員満場一致で環境大臣特別賞に選出された。単なる美談ではなく、回収から再資源化までの物流・コスト構造を成立させた点が画期的と評されている。