冬場から春先にかけての乾燥した気候は、木材の含水率を大幅に低下させ、建物を極めて燃えやすい状態に変貌させる。この時期に最も注意すべきは、日常の死角に潜む無炎燃焼や電気火災だ。
滋賀県野洲市の商業施設で2026年9月に発生した事例のように、電源コードや電気設備の周辺は常に発火リスクを抱えている。家具の裏に隠れたコンセントに溜まったホコリが湿気を吸って微弱な放電を繰り返す「トラッキング現象」は、住人が気づかない間に壁の内部へと火種を広げる。また、老朽化した家電製品の内部ショートや、コードを踏みつけたことによる半断線も主要な出火原因となる。火気を使用していない部屋であっても、通電している設備が存在する限り、火災の発生確率をゼロにすることはできない。