照り焼きという料理名でありながら、表面がくすんだ茶色に濁ってしまう最大の原因は、火加減とタレの投入タイミングにあります。美しい光沢を生み出す「照りの出し方」には、砂糖とみりんが熱によってメイラード反応とキャラメル化を起こす臨界温度が存在します。
フライパン調理では、まず中火で皮目と両面を7割から8割焼き上げます。完全に火が通る前にフライパン底面に残った余分なブリの脂をペーパーで徹底的に拭き取ることが、油臭さを防ぐ絶対条件です。
タレを投入したら火を弱めず、中強火で一気に沸騰させます。大きな泡から細かな泡へと変化してきた瞬間を見逃さず、スプーンでタレを切り身に何度も回しかけながら煮詰めます。タレにとろみがつき、気泡が小さく密集した段階で火を止めることで、鏡面のような艶やかな照りが完成します。