袋へのお札の向き 入れ方にも繊細な意味づけがなされています。慶事では肖像画を表側に向け、弔事では肖像画を裏側(あるいは下向き)に伏せるのが通例です。病気見舞いは「回復を願う前向きな祈念」であるため、慶事と同様に紙幣の表側(肖像画のある面)が中袋の表側を向くように揃えます。さらに、お札を引き出したときに最初に肖像画が見えるよう、肖像画の頭部を封筒の上部に向けて封入するのが作法です。
ここで注意すべき論点は、紙幣の状態です。結婚祝いではしわのない「新札」が必須ですが、お見舞いにおいて完全なピン札を入れると、「入院することを事前に予測して前もって用意していた」という誤解を招く恐れがあります。
一方、過度に折れ曲がった使い古しの汚れた紙幣も失礼にあたります。最も推奨される解決策は、銀行やATMから引き出した綺麗な新札を一度だけ指先で二つ折りにし、中央にうっすらと新札 折り目を刻んでから包む手法です。これにより、「突然の知らせを受けて慌てて工面したが、相手への礼を欠かさないため整った紙幣を選んだ」という敬意と誠意が同時に伝わります。
中袋を包む外袋の裏側の折り返しにも重要な規則があります。下側の折り返しを上側の折り返しの上に重ねてください(上を向ける形)。下向きに重ねると弔事の折り方になり、「不幸が重なる」ことを暗示してしまうためです。