竹中半兵衛の早すぎる退場によって、豊臣秀吉の軍師としての重責はすべて黒田官兵衛(如水)の双肩にかかることとなった。盟友を失い、自らも過酷な幽閉によって右足の自由を失った官兵衛であったが、その知謀は以前にも増して凄みを帯びていく。
本能寺の変における「中国大返し」、山崎の戦い、そして柴田勝家を破った賤ヶ岳の戦いに至る秀吉の電光石火の進撃は、半兵衛から受け継いだ大局観と、官兵衛の苛烈な軍略が融合した結果である。『豊臣兄弟!』が描く両兵衛のドラマは、単なる友情譚にとどまらない。過酷な乱世において、互いの知性を認め合い、命を賭して後世へとバトンを繋いだ二人の天才の宿命が、400年以上の時を超えて現代の観客を惹きつけ続けている。