鳥束が斉木楠雄に近づいた動機は、敬意や崇拝とは程遠いものでした。楠雄が規格外の超能力者であることを知り合いの幽霊伝いに耳にした鳥束は、「女子にモテたい」「楽をして生きたい」という純度100%の煩悩を満たすため、楠雄への弟子入りを画策します。楠雄の透視能力や念写能力を自らの私利私欲のために伝授してもらおうと企んだのがすべての始まりでした。
PK学園において、斉木楠雄の超能力を認識している人間はごくわずかです。兄の斉木空助や、のちに登場するギャル占い師の相卜命を除けば、一般生徒の中で楠雄の秘密を握っているのは鳥束だけという特殊な構図が成立しました。楠雄にとって鳥束は「いつでも記憶を消去して消し去りたい厄介者」でありながら、時には幽霊絡みのトラブルや表沙汰にできない超常現象の処理を押し付ける都合の良い手駒でもあります。
互いに軽蔑し合いながらも、危機的状況では奇妙な連帯感を発揮します。鳥束は楠雄から制裁を食らい続けながらも決して秘密を他言せず、楠雄もまた鳥束が本当に危機に陥った際には陰から救いの手を差し伸べます。ドライな損得勘定と奇妙な腐れ縁が同居するこの関係性は、作中の人間関係でも異彩を放っています。