長年、電話相談窓口は「深刻な危機にある人が最後に頼る場所」という重い印象を持たれがちでした。特にSNSネイティブである10代から20代にとって、市外局番から始まる電話番号に自ら通話ボタンを押すハードルは極めて高いものがあります。
参加した高校生の一人は、演奏前のインタビューで次のように語っています。「普段、命の大切さについて友だちと正面から語り合う機会はほとんどありません。でも、合唱として言葉を重ねるなかで、誰かに頼ることや生きていることそのものの重みを実感しました。相談窓口があることを、まず同世代に知ってほしい」。
若者自らが発信者となることで、心理的な距離感は劇的に縮まります。合唱という柔らかく共感を呼ぶメディアを通じて、支援ダイヤルの存在が「遠い大人の組織」から「自分たちを守るセーフティネット」へと捉え直されたのです。