顔面、とりわけ目の周りの内出血は、他の部位と比べて治癒の様相が大きく異なります。眼窩周囲の皮膚は体の中で最も薄く、皮下脂肪組織も極めて疎であるため、少量の出血でも広範囲に濃い紫色の隈(ブラックアイ)となって現れます。外見上の心理的ストレスも非常に高い部位です。
目の周りの打撲ケアにおいては、通常の部位以上に細心の注意を払わなければなりません。
- 薬剤の使用制限: ヘパリン類似物質などの血行促進外用薬は、眼粘膜を激しく刺激するリスクがあります。眼球に入る恐れがある目の際や眼瞼への直接使用は避け、医師や薬剤師の指示を仰ぐ必要があります。
- 頭部挙上の重要性: 就寝時に枕を通常より高く設定し、頭部を高く保つことで、眼窩周囲への血液滞留と翌朝の重度のむくみを抑制できます。
- 視覚異常の鑑別: 単なる皮下出血にとどまらず、物が二重に見える(複視)、視野が欠ける、視力が低下する、眼球運動痛があるといった症状を伴う場合、眼窩底骨折(吹き抜け骨折)や眼球破裂の危険性があります。速やかに眼科や形成外科、脳神経外科を受診しなければなりません。