佐勘の歴史は平安時代末期、温泉宿としての端緒を開いたところまで遡ります。戦国から江戸初期にかけて仙台藩祖・伊達政宗公が秋保温泉を訪れた際、その湯守として任ぜられたのが佐勘の祖先でした。館内には政宗公の湯浴み御殿としての面影が今も随所に息づいており、単なる大型宿泊施設にとどまらない文化財的な厚みを感じさせます。
エントランスを抜けると広がるメインロビーは、現代的なラグジュアリーと和の伝統意匠が巧みに融合した空間です。特筆すべきは、館内に常設された歴史ギャラリーや「主屋」の存在でしょう。伊達家ゆかりの武具、古文書、そして政宗公自らが記した書状などが展示されており、宿泊客は宿にいながら仙台の歴史探訪を追体験できます。静けさの中に漂う名家の風格は、訪れる者を非日常の安らぎへと誘います。