この昭和由来の古典的語呂合わせが、21世紀になっても色褪せないのは、ポップカルチャーによる定期的なリブート(再起動)があったからに他ならない。その代表例が、九州通信ネットワーク(現・QTnet)の光ブロードバンドサービス「BBIQ」のテレビCMだ。俳優の阿部寛が真っ青な背景を背に、狂気を帯びた真顔と独特の重低音ボイスで「スイヘーリーベ、スイヘーリーベ!」と連呼する演出は、放映地域のみならずインターネットを通じて全国的なミームとなった。
さらに音楽シーンでも、この語呂合わせは強力なキラーフレーズとして機能している。ロックバンド・アルカラが発表した楽曲『キャッチーを科学する』では、イントロから「水兵リーベ僕の船」のリフレインが鋭利なギターリフとともに炸裂する。音楽メディアのUtaTenが報じたように、誰もが義務教育で刷り込まれた無機質な文字列をロックのグルーヴに乗せることで、リスナーの無意識に潜むノスタルジーと知的好奇心を強烈に揺さぶる手法が話題を呼んだ。
加えて、教育界における最大の革新となったのが、NHKの教育番組やYouTubeで爆発的ヒットを記録した「かっきー&アッシュポテト」による『スイヘイリーベ〜魔法の呪文〜』だ。作曲を手掛けたシンガーソングライターの柿島伸次は、東洋経済オンラインの取材に対し、単に言葉を並べるだけでなく、子どもたちが歌って踊れるキャッチーなメロディラインを追求した制作秘話を明かしている。同曲は1番から20番にとどまらず、現在確認されている全118元素を網羅したバージョンへと進化を遂げ、全国の小学校や学習塾で公認教材として活用されている。