町村農場という名前が全国区へと飛躍した背景には、大手コンビニチェーンとの協業によるドリンクやアイスクリームの全国展開がありました。洗練されたレトロモダンな牛のマークは、都市部の多忙なオフィスワーカーにとって「日常の小さな贅沢」の代名詞となりました。
しかし、ブランドの露出が増加するにつれて、熱心な消費者の間では「本物の直営店で、加工前の原点を味わってみたい」という欲求が芽生え始めました。コンビニ製品がいわばブランドのプレゼンテーションとして機能し、その最終目的地として江別市篠津のミルクガーデンが選ばれるという、現代的な「体験型消費」のサイクルが確立されたのです。直営店を訪れる来訪者の多くは、パッケージの向こう側にある本物の牧草地の匂いや、牛舎の佇まいを肌で感じるためにハンドルを握ります。