2.5次元舞台シーンにおいて、数々の出演作品で卓越した演技力と身体能力を証明してきた竹中凌平。彼が演じる潔世一の真骨頂は、「凡庸な少年が、思考と観察によって怪物を喰らう瞬間」の狂気にあります。ゲネプロで見せた竹中の佇まいは、初期の戸惑いを完全に脱ぎ捨て、勝つためなら味方すらも利用し尽くす真のストライカーの冷徹さを纏っていました。
特筆すべきは、潔の武器である「空間認識能力」と「ダイレクトシュート」の身体的表現です。竹中は台詞のトーンを状況に応じて劇的に使い分けます。内省的なモノローグでは低く鋭い語り口で客席の集中を惹きつけ、フィールド上で味方を怒号で動かす瞬間には爆発的なエネルギーを劇場全体に響かせます。その緩急のコントラストが、ピッチ上で繰り広げられる思考速度の凄まじさを観る者に体感させます。
「このピッチで生き残るには、自分の存在理由を毎秒更新し続けるしかない」
竹中が放つ一言一句には、数年間にわたり座長としてカンパニーを牽引してきた重みと、役柄そのものが同期したかのような凄みが宿っています。競演陣である新キャラクターたちとのバチバチとした視線の応酬、ボールを持たないオフ・ザ・ボールの動きにいたるまで、一瞬の隙もありません。