雨脚は前触れなく強まった。未明から道央上空に居座った発達した雨雲は、局地的な線状降水帯を形成し、札幌市および千歳市周辺へ記録的な雨量をもたらした。札幌市内で観測された降雨強度は、気象庁が近年整備した警戒レベルのうち、命の危険が迫る「レベル4大雨危険警報」を運用開始後初めて発動させる事態へと発展した。
線路冠水や土砂流出の危険が急激に高まったことで、JR北海道は午前中から安全確保を理由に間引き運転を開始。しかし雨足は衰えず、正午を過ぎる頃には千歳線全線で運転見合わせの判断が下された。札幌と新千歳空港間を走る快速エアポートは、日中1時間あたり5〜6本が高密度運行されている。この基幹ルートの停止は、数万人の移動需要を瞬時に蒸発させ、道内全体の交通網にドミノ倒しのような麻痺を引き起こした。