読者が最も知りたい「作為のない、純粋な愛情表現としての本物のキス」は、原作小説第7巻第18話においてついに描かれます。それまでの人工呼吸や衝動的な首筋への接触とは一線を画す、互いの感情が明確に衝突し、交わされた真実の口づけです。
この場面において壬氏は、自らが皇弟という最高位の血筋であることを完全に意識しつつも、それを投げ打ってでも猫猫を手に入れるという冷徹なまでの執念を露わにします。一方の猫猫も、これまでの「面倒事には関わりたくない」という処世術を突き崩され、壬氏という存在が自身の人生に不可逆的な変化をもたらした事実を突きつけられます。スクウェア・エニックス版(ねこクラゲ作画)および小学館版(日向夏・倉田三ノ路作画)のコミカライズ両陣営も、この原作屈指の名場面へ向けて着実に歩みを進めており、ビジュアル化された際の破壊力は計り知れません。