戦いが終わり、静寂が訪れた戦場で、高杉はかつて幾度となく刃を交えた銀時の腕に抱かれます。左目を失っていた高杉が見せた微かな笑みと、銀時に遺した言葉は、作品屈指の名場面としてファンの記憶に刻まれています。
「俺の右目は、最後までろくなもんを映さなかった。だが……最後に見たのが、てめえの面で良かったぜ」
幼少期、吉田松陰のもとで共に学んだ松下村塾の日々。寛政の大獄、そして松陰の処刑という地獄を経験した高杉は、世界を壊すことだけを生きる目的に掲げてきました。しかし、最期の瞬間に彼の目に映っていたのは、憎悪の対象だった世界ではなく、かつて背中を預け合い、同じ師の教えを受け継いだ銀時の姿でした。
銀時もまた、涙を堪えながら友の旅立ちを見届けます。かつて師・吉田松陰の首を撥ねる役目を背負わされた銀時が、最後には最も救いたかった友を看取るという構図は、松下村塾の長きにわたる悲劇的な円環がようやく閉じた瞬間でした。