摂取した鉄分が血液中に届くかどうかは、同時に胃に入るパートナー成分によって大きく左右されます。
最大のブースターはビタミンCです。ビタミンCは強力な還元作用を持ち、消化管内で非ヘム鉄(Fe3+)を水溶性の高い二価鉄(Fe2+)へと還元します。同時にキレート錯体を形成してアルカリ性の腸内でも鉄の沈殿を防ぎます。小松菜を食べる際にレモン果汁を絞る、パプリカやブロッコリーを赤身肉の副菜に添えるといった工夫だけで、非ヘム鉄の吸収率は2倍から3倍近くに跳ね上がります。
一方で、鉄の吸収を阻害する代表格がタンニン(ポリフェノールの一種)です。濃い緑茶、紅茶、コーヒーに含まれるタンニンは、鉄イオンと強固に結合して不溶性の「タンニン鉄」を形成し、腸管からの吸収をブロックしてしまいます。食後すぐに熱い日本茶やコーヒーを飲む習慣がある人は、鉄欠乏リスクが跳ね上がります。食中や食後30分以内は、タンニンを含まない麦茶、ルイボスティー、または常温の白湯を選ぶのが賢明です。