超音波撃退器の有効性に対する疑問は、今に始まった話ではありません。過去には公正取引委員会や消費者庁が、過大な効果を標榜する販売業者に対して厳格なメスを入れています。2000年代以降、家庭用コンセントに差し込むだけで電磁波や超音波を発生させ、ネズミや害虫を屋根裏・床下から一網打尽に追い出すと宣伝した複数商品に対し、景品表示法違反(優良誤認)として排除命令や措置命令が下されました。
行政が求めた「裏付けとなる合理的な根拠を示す資料」に対し、業者側が提出した実験データはいずれも密閉された狭いアクリルケージ内での一時的な反応に過ぎず、障害物が多く広大な一般家屋で同様の効果を発揮することを証明できませんでした。法的措置によって公に示されたのは、市販の超音波器が謳う「部屋から完全に駆除できる」という効能に、実空間での科学的再現性がないという事実です。