「ストーカーやいたずら電話の被害に遭っているため、発信者を突き止めたい」と考える利用者は少なくありません。しかし、個人の申し立てによって通信キャリアが非通知の発信元電話番号を開示することは、法制度上、絶対にありません。日本国内の通信インフラは電気通信事業法第4条に定められた「通信の秘密」によって厳格に守られており、キャリアの窓口に泣きついても情報は一切伏せられます。
警察へ相談した場合でも、単に「無言電話が数回かかってきた」という程度では被害届の受理に至らないのが現実です。ただし、脅迫めいた言葉を残されたり、生活に明確な実害が生じている場合は刑事事件として立件される可能性があります。捜査機関が裁判所から捜査差押許可状(令状)を取得した場合に限り、キャリア側の通信ログが解析され、発信元回線が特定されます。民事レベルでの特定は極めて困難であり、現実的な自衛手段は「特定」ではなく「遮断」に舵を切るしかありません。