揚げ油の後処理を行わず、驚くほどヘルシーかつ鮮やかな仕上がりを手に入れる最大の裏ワザが電子レンジ下処理です。乱切りにした茄子(中3本・約250g)を耐熱ボウルに入れ、ごま油またはサラダ油を大さじ1杯だけ回しかけて全体をしっかりと和えます。
全体に油の薄い皮膜を形成させた後、ふんわりとラップをかけて600Wの電子レンジで3分〜3分30秒加熱します。この工程には二重の科学的根拠が存在します。
第一に、茄子の皮に含まれるアントシアニン系色素「ナスニン」は水溶性であり、熱や酵素によって容易に褪色します。あらかじめ油でコーティングした上で急激にレンジ加熱すると、酸化酵素が不活化されると同時に皮の表面が保護され、プロが素揚げしたかのような深い紫色が保たれます。これが確実な「色止めのコツ」です。
第二に、果肉内部の水分がマイクロ波によって一瞬で水蒸気化し、スポンジ構造の細胞壁が適度にしんなりと収縮します。すでに火が8割方通った状態になるため、炒め合わせる時間はわずか1〜2分で済み、後から調味料の余分な油分を吸い込む余地がなくなります。