京都府立陶板名画の庭の構想は、1990年に開催された「国際花と緑の博覧会(大阪花博)」に端を発します。当時、堺屋太一氏のプロデュースのもと、安藤忠雄氏の設計によるパビリオン「名画の庭」が出展されました。このパビリオンのために制作された4点の大型陶板画が博覧会終了後に京都府へ寄託され、さらに新たに制作された4点を加えた計8点のコレクションを常設展示する場として、1994年3月に現在の施設が開館しました。
名画を複製して展示することに対する伝統的な美術界の懸念を払拭したのは、原画の縮小や単なる印刷とは一線を画す、圧倒的な物質的リアリティでした。原画の寸法を忠実に再現したミケランジェロの『最後の審判』(縦約14.3メートル、横約13.0メートル)をはじめ、絵巻物の質感と筆致を克明に追体験させる『鳥獣人物戯画』など、原物では鑑賞者が近づくことすら難しいディテールを等身大かつ間近で体感できる空間として構想されたのです。