NHKの人気料理番組などで料理研究家が強調するのは、水分コントロールの重要性です。炒り豆腐作りの最大の失敗は、豆腐から出る水分で具材が煮え返り、調味料の味が薄まってしまう「水没状態」にあります。
裏ワザの第一は、「調味料を入れる前の空炒り」です。具材と豆腐を合わせた際、すぐに調味料を注いではいけません。調味料に含まれる塩分が豆腐の細胞膜に浸透圧をかけ、内部の水分を一気に外へ押し出してしまうからです。まずは油と熱だけで豆腐を炒め、蒸気をしっかりと立ち上らせて水分を飛ばし切ることが、味がピシッと決まる最大の分岐点となります。
第二の技は、「溶き卵を入れるタイミングと余熱活用」です。溶き卵を早く入れすぎると、豆腐の水分を吸ってモロモロとした濁った仕上がりになります。水分が完全に飛び、具材に調味液が絡んだクライマックスで回し入れ、完全に火を通し切る前にコンロから外します。フライパンの蓄熱を利用して余熱で仕上げることで、口の中でとろけるようなふんわり感が実現します。