秋野不矩美術館はなぜ浜松・天竜に?生い立ちと藤森建築が選ばれた真相を徹底解説

秋野不矩美術館はなぜ浜松・天竜に?生い立ちと藤森建築が選ばれた真相を徹底解説

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画業における決定的な転機は、1962年(昭和37年)に訪れます。54歳を迎えた秋野不矩は、インドの国立ヴィスヴァ・バーラティ大学(タゴール国際大学)客員教授への就任要請を受諾し、単身インドの地を踏みました。そこで目にしたのは、灼熱の太陽、乾ききった赤土、砂埃のなかで力強く生き抜く人々と牛たちの姿でした。洗練された顔料と絹本で描かれる従来の日本画の手法は、あまりに苛烈なインドの現実の前で無力さを露呈します。

不矩はここで自身の技法を根本から解体しました。鉱物や現地の土を思わせる粗い岩絵の具を用い、絵の具を何層も重ねては削り落とし、灼熱の風土とそこに根づく宗教的祈りを荒々しいテクスチャーで画布に定着させていったのです。1999年には長年の革新的表現が高く評価され文化勲章を受章。90歳を超えてもなおインドやネパールへの取材旅行を重ね、亡くなる直前まで巨大な画面に土と人間の叙情詩を描き続けました。天竜区二俣町に美術館が構想された際、収蔵されるべき作品群の中核はまさにこのインド絵画の金字塔でした。

Robert Thorne
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Robert Thorne

Robert Thorne covers electric vehicle innovations, autonomous driving systems, global mobility trends, and automotive engineering developments.