『君はロックを聴かない』がリリースから長い年月を経た今もなお瑞々しさを失わないのは、そこに描かれた感情がデジタルの急速な変化に左右されない「人間の根源的な弱さ」に根ざしているからだ。SNSの画面越しにどれほど洗練されたコミュニケーションが可能になろうとも、本当に大切な人に自分の本心を届ける難しさは、いつの時代も変わらない。
「ロックなんか聴かない君」に向けて、それでも懲りずに音量を上げる僕の姿。それは、スマートに生きることが求められる現代社会において、泥臭く誰かを愛そうとするすべての人々の肯定歌である。『青春のエキサイトメント』というアルバムタイトルが示す通り、青春とは整えられた美しさではなく、空回りする衝動と興奮そのものだ。
イヤホンを片方ずつ分け合い、お互いの鼓動を確かめ合おうとしたあの日のメロディ。あいみょんが鳴らしたロックは、これからも時代や世代の壁を軽々と飛び越え、迷える誰かの部屋の空気を揺らし続けるだろう。