呉市は、横須賀、佐世保、舞鶴とともに「日本遺産」に認定された旧軍港都市です。入船山記念館は、このストーリーを構成する中心的な文化財の一つとして位置づけられています。
近年、歴史愛好家や近代建築ファンの間でブームとなっているのが、日本遺産の構成文化財を巡る「御周印」集めです。長官官舎の受付や関連施設で手に入る御周印は、海軍ゆかりの意匠があしらわれた特別な記念印。単なるスタンプラリーを超え、鎮守府が置かれた4つの港町が辿った近代日本の歩みを追体験するツールとして人気を集めています。
また、敷地内の呉市郷土館では、呉の古代から近代に至る考古・民族資料が展示されており、軍港として拓かれる前の呉の姿を知ることもできます。海軍工廠の技術者たちが毎日見上げた時計塔の鐘の音に耳を澄ませながら、緑豊かな庭園を散策する時間は、港町の喧騒を忘れさせる特別なひとときです。