なぜ西友は、自社売場を大幅に削る中でも無印良品を手元に残したのでしょうか。その背景には、西友の株主構成変化に伴う不動産収益最大化戦略と、無印良品(良品計画)の出店シナジーが存在します。
西友はかつてセゾングループの中核であり、無印良品自体が1980年に西友のプライベートブランドとして誕生した歴史を持ちます。資本関係が変化した今日においても、両社には長年の協業関係と顧客属性の親和性があります。直営の衣料品や家庭用品事業の利益率が低下する中、自社でリスクを負って在庫を持つよりも、強固な集客力を持つブランドに場所を貸し出し、定期賃料や歩合賃料を得るプロパティ・マネジメント型への移行は必然の帰結でした。
実際に、ドン・キホーテの「驚安・圧縮陳列」による若年・深夜層の誘引、パシオスの「実用衣料・低価格」によるシニア・主婦層の獲得、西松屋のファミリー誘客に対し、無印良品は「シンプルかつサステナブルな世界観」を好む層をがっちり掴んでいます。リヴィン田無は、単一のGMSから、顧客層が相互補完する極めて合理的な商業コンプレックスへと進化したのです。