これほど完成度の高いメニューでありながら、一風堂の油そばは全国どの店舗でもいつでも食べられるわけではありません。基本的には「期間限定」あるいは特定の設備や客層を持つ「店舗限定メニュー」として散発的に展開されるケースが大半です。
この希少性が、ファンの飢餓感をさらに煽る結果となっています。ロードサイド型の大型店や、オフィス街の実験的旗艦店などでゲリラ的に登場するたび、SNS上では「なぜ全店舗で常時販売しないのか」という議論が巻き起こります。
背景には、オペレーション上の明確な理由が存在します。極細麺を数十秒で茹で上げる通常の博多ラーメン専用釜において、茹で時間の長い極太麺を共存させることは、ピーク時の回転率を著しく低下させるリスクを孕んでいます。茹で釜の区画管理やタイマー管理の難しさこそが、全店定番化への最大の壁であり、同時に限定店舗でしか味わえないプレミア感の源泉にもなっています。