本館の敷地を出て小道を渡った南側に佇むのが、1927年に遠藤新の手によって完成した「講堂」です。ライトの作風を忠実に継承しながらも、遠藤独自の解釈が加えられたこの建物は、緩やかなヴォールト(曲面)を描く天井と、シンメトリーに並ぶ採光窓が特徴です。
講堂の撮影において圧倒的な美しさを放つのは、ステージ側から客席後方を振り返る視点、あるいは最後列中央からステージを見下ろすセンターショットです。木製のベンチシートが等間隔で奥へと連続するパースペクティブ(遠近感)は、構図の奥深さを強調する絶好の被写体となります。
中央棟の華やかさとは対照的に、講堂は静寂と規律が支配する重厚な空間。ここでは余計な広角の歪みを避け、50mm前後の標準画角で水平・垂直を厳密に合わせて撮影すると、建築の端正なプロポーションがストレートに伝わります。